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第31回:【いや、お前にはまだ分からんよ、絶対に。:前編】
暖かい陽だまりを歩く。
ゆったりと。
日陰はまだ少し寒い。
昨日の彼女の一言がまだひっかかったままだ。
言葉が一つ、
「一つの言葉」が歩きだして、
花の名前とつながって、
足を生やして歩きだす。
そんな夕方、
ふと同じ町で生まれ育った友人が訪ねてくる。
彼は僕の家に入り次第、
スピーカーにipodをつなげ、曲を流し始める。
小説家を目指しながら、
求人広告のライターをする彼がプチDJになる。
そういえば、数年前、あの頃の僕らは、
真夜中、こんな遊びしか知らなかった。
そんなあの頃の僕らは、
この数年、それぞれの人生を生きてきた。
彼は結婚をし、
僕は彼の結婚式でスピーチを読み、
彼には可愛い娘が生まれ、
僕には可愛い会社が生まれ、
それぞれの道を歩き、歩き、
またもや、果てもなく歩き、
生きてきた。
お互いに、思いを、世界を、人間を愛し、書いて、生きてきた。
さて、話は戻るが、
彼は僕の家に入るやいなやこの曲を流した。
クラムボン「穏やかな暮らし」
http://www.youtube.com/watch?v=f2flUh7CKH4
ハードコアバンドで歌い、
トランスのDJでブリブリいわせ、
夜の生活から小説家の道を選んだ彼、
彼と僕は感じることがとても似ていて、
同じ曲を聴いては感動し、
同じ風を浴びては思いを重ねる、
そんな関係だった。
いつものごとく曲を聴き、
「あぁ、分かるよ。いいね。」
そう言う僕に彼はこう言った。
「いや、お前にはまだ分からんよ、絶対に。
だもんで、聴かせたかった。」
続けて彼はこう言った。
「俺は1人の愛する女性と結婚をして、子供が生まれ、
妻に対し、こういった感情を忘れかけていた。
家族が3人になり、忘れかけた感情をこの曲が思い出してくれた。
いや、関係性が変わると、こういう感情が生まれる。ということを教えてくれた。」
家族というものの関係性が2人から3人になる。
そして、愛する女性を違う形で愛する自分を知る。
うわぁ、分からんわ。
悔しいし、残念だけど、自分はそこにはまだいない。
愛する妻に対し、改めて愛を持ち、
『何から話せばいいんだろう?』
と思う。
そこに僕はまだいない。。
何をこのコラムで、
そんな個人的なことをペラペラと。。。。
そう思う自分の中で、
もう一人の自分がこう言う。
いや、世界はそういったものの連続だ。
人には分からないものを、
決して100%理解できない人の生き方や感情を、
関係性を、少しでも理解しながら、
いや、理解できないという前向きなあきらめを持って、
関係していくのだ。
生きていくのだ。
おっと、熱くなってきました。
止まらなくなってしまいそうなので、
続きは次回で。
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「生きた、書いた、愛した」
〜〜 スタンダール 墓碑銘より 〜〜