施工管理とは、読んで字のごとく施工を管理する人間、つまりは監督者の事を指します。 ビルや病院、トンネルや球場などといった建築物の設計から完成までを見届けることが出来、その達成感ややりがいといったものは非常に大きいものです。
ですが工事を監督するという仕事上、やるべき事も多く、工事発注者との打ち合わせや必要書類の作成、直接工事現場に出向き、作業員への工事指導・監督、建設する工事物を建設予定日通りに仕上げる作業工程の管理、工費の原価管理や、それに伴う工事物の品質管理など、担当業務は数多くあります。この全てを1人でというわけではなく、他の社員や下請け業者等に担当させる部分もありますが、それでも施工管理者の負担と責任は大きいものです。
また、建築現場での労働災害による責任、工期内での建設ができない場合の責任、無事に完成させたのはよいものの、工費が嵩み、最終的に赤字を出してしまった場合の責任、それら全ての責任を負うのも現場監督を担当する施工管理者です。調整がうまくいかなければ、残業、休日出勤もあり、決して楽な仕事とは言えず、向き不向きのある仕事でしょう。
転職を考えている方への参考として、埼玉県の平均年収と施工管理者の平均年収を解説します。平成24年度の厚生労働省のデータでは、30代後半の年収の平均が424万円であるのに対し、施工管理者は533万円と一般的な会社員の平均年収よりも高い傾向にあります。
埼玉県における40代前半の平均年収は462万円となっており、埼玉県全体としてみても施工管理者の給与水準は高い傾向にあるといえるでしょう。建築業界で言えば、業界の傾向としては平成19年度から24年度にかけて、平均年収は620万円前後で推移しており、比較的安定しています。2020年に行われる東京オリンピック、この先の日本の景気動向等を考えれば、まだまだ業界としての平均給与は上向いてくると思われます。
また、大規模な施設を建築するような大手会社ともなれば、施工管理者の年収は1000万を超える為、経済面では安定していると言って違いないでしょう。総じて、施工管理者の仕事は過酷な業務であり離職者も多いですが、引く手は数多で求人数も多く、その責任に見合った給与も支払われる、やりがいのある仕事と言えます。