バックレた職場の給料は未払いでも仕方ない？｜給料に関するトラブル

継続して働いていた者が、突然前触れもしないで仕事をやめてしまうということがバックレるということだとして、その場合でも働いた時間分の未払い給料は請求できることはできます。

雇っている側が支払わなくてもよいという法律はないからです。

でも、だからといって未払いの給料を請求する行為は、その会社の人事担当などに出向いて、支払ってほしいと申し出なければなりません。手続き的には後ろめたい気持ちもあって難しいでしょうから、労働基準監督署や消費生活センターなどに相談して助けてもらうのがいいでしょう。

でも、その際に気にしておかなければならないのは、バックレることによって雇っている側に損害が発生している場合は、損害賠償請求されることもあることです。未払い給料の額とバックレることによっての損害の額如何では、支払う金額の方が多いこともあるので注意が必要です。

バックレても働いた時間分の給料は請求できる

突然前触れもなく仕事をやめてしまう、バックレてしまう、といった場合でも働いた時間分の未払い給料は請求することはできます。

既に働くという行為を行っているからであり、仮に正規従業員でなくて、派遣やアルバイト、パートであっても、雇っている側が支払わなくてもよいという法律はないからです。もっとも、派遣の場合は給料の支払元が働いている職場や企業でなく、所属している派遣元企業という点が異なるので、この点は承知しておく必要があります。

■具体的な請求方法はどうするか

でも、バックレたという以上、未払い給料といえどもすぐに請求に行くというようなことは難しいでしょう。手紙や内容証明つきの文書で請求しても、返事は「一度説明をしに来社してほしい」というようなことになるので、思ったように事は運ばないことになるでしょう。仮に、出社しようとしても、いじめにあっていやになったとか、上司とけんかして我慢できなくなったとか、それなりの言い訳があればいいのですが、なければ大半は後ろめたさなどから言い出しにくものでしょう。また、バックレるという行為でなにがしか迷惑をかけているという事実もあるので、厚かましい申し出はどうしたものかという気持ちも持ってしまいます。

こうした場合は、弁護士など法律に詳しい人に頼るのも解決の一つの道ですが、現実的な対処法としては労働基準監督署や消費生活センターなどに出向いて、具体的に経過などを説明し、間に入っていただくのが賢明なものとなります。

もちろん、労働基準監督署や消費生活センターは詳細を確認した上でないと動いてはくれませんが、直接請求しにくい点やそれでもいただかないと生活上困窮してしまうことなどを丁寧に説明すれば、助け船を出してくれます。

もちろん、会社に支払命令を出すというようなことではなく、未払い給料があるのであれば、それは然るべく払ってあげたらどうですか、というような勧告、おすすめを出してくれるという程度です。

金額やバックレ行為に係わる別の大きな問題があれば、企業は拒否をすることもあるでしょうが、大概は公共機関の口利きなら、少ない金額の未払い給与ぐらいで面倒なことに巻き込まれるのは避けようという判断となって、未払い給料全額が即刻支払われるということになるのが一般的なケースです。

■しかし、注意点がないわけではありません。

前述のように公的な機関に頼れば、普通の場合存外スムーズに解決できるわけですが、全てがそうというわけには行かないこともあります。

バックレるということは、突然のことであり、踏むべき手続きを踏んでいないということがどうしてもあります。

正規従業員であれば、就業規則に退職は2週間前までに申し出ることなどと定められているのが普通ですし、派遣社員であっても同じようなことがあります。パート・アルバイトと言えども、書面か口頭かは別として何らか規則があるはずです。

また、バックレることによってその企業に何らかの損害が発生していることも確かなはずです。たとえば、お客様に多大な迷惑をかけたので、お金で解決せざるを得なかったというようなことだって考えられます。

となると、企業としては、未払い給料は払うが、損害分は賠償の請求を起すということになるわけです。

金額如何ということがありますが、請求する権利はどちらにもあるということと、未払い給料を請求しなくても、損害賠償の請求をされる可能性もあることは承知しておく必要があります。