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第61回:【最期のスターライトバーで】
俺は1人
最期のスターライトバーで
別れを惜しむ旅人たちの群れのなかで1人
めずらしく淋しさは無く
1人で詩を書く境地まできとる
今この瞬間だけかもしれん
一服中の一分後には
いつもの淋しさに追われ脅える俺がおるかもしれん
されど
俺の心も遠くまで来たもんだ
この思いはきっと無駄にはならない
俺にできることもある
間接照明が好きで
はるばるここに毎晩集まる
笑い声とグラスのぶつかる音と
あくびとスピーカーからの歌声
あぁ
俺の好きな光景だ
別れの前の一瞬のきらめきだ
切なさが人間を創る
そう信じる
あの刻の俺は間違っちゃいなかった
やっぱりね
ソファに倒れこむ女がおる
1人がけのイスで遠くを見つめる男がおる
笑い声の先で自分を見つめる「沈黙」が聴こえる
うん
なによりもいい
俺の本当に好きな光景だ
そこで人間があぶり出されていくから
綺麗な声がのびやかにソウルを歌う
そうか
俺に
「生きててよかった」
「生きていたい」
って彼らが伝えくれたのは
俺が自分に言ってやりたかった1番の一言だったんだ
まだ俺は盛り上がるパーティーを片手に1人で詩を書いている
男同士が抱き合って悲しい夜を歌う
女たちが足を組み静かに遠い目をしている
それぞれの「遠慮」していた気持ちを捨てていく
これが人生だ
泣きわめき
うろたえ
生きていこう
そこにしかないよ
俺ら個々人の中にしかないよ
あいしたい
つながりたい
わけあいたい
そんな気持ちが目に見える情景をつくる
いまここしかない
それでしかない
生きよう
そして
俺の感情よ
扱うことに苦悩し
扱われることに動揺する
俺の感情よ
知らないことしかない
ということを絶え間なく教えてくれ
そこに敬意と感謝を示し
俺は生きる決意を強くする
泣け
俺の心よ
本当に死ぬ一歩手前で泣け
次回も、よろしくお願いします。
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眠れないほどに思い惑う日々
熱い言葉で支えてくれたのはあなたでした
時として一人くじけそうになる心に夢を
与えてくれたのもあなたでした
Last song for you
Last song for you
涙をかくし お別れです
Last song for you
Last song for you
いつものようにさり気なく
〜〜 山口百恵 「さよならの向こう側」 より 〜〜