転職お役立ち記事
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人生におけるストレス度合いを表すランキングデータのようなものがあります。「両親の死」「配偶者の死」「結婚」「離婚」など、錚々たる面々と並ぶ形で「転職」もランクインされています。転職はこれまでの人生を大きく変え、新たな人生を構築していくという、非常に影響力のある出来事と認識している方が多いことがわかります。
一般的に、このように大きな出来事の前は心が揺れ動くもの。この感情の変化にうまく対応できないと、よくない結果を招いてしまうこともあります。しかし、この感情を認識し、うまくコントロールすることができれば、転職活動に対してのモチベーションをキープする働きもしてくれます。では、具体的に、転職活動の際、私たちはどんな感情に悩まされ、どういう風に対処すべきかについて、見ていきましょう。
転職活動において、私たちが負担に感じがちな感情は、大きく分けて「不安」と「緊張」です。
「不安」は、転職を行うことでこれまでの慣れた環境から離れ、新たな環境に身を置くことになることに加え、その環境がどのようなものかは実際のところは転職してみないとわからないということから起因していると考えられます。
私たちは、実にいろんなことを考えては不安になる生き物です。また、もうひとつの厄介な感情のひとつとして「緊張」もあります。「不安」とかぶる部分もあるのですが、相当転職に慣れている人でない限り、自分を評価される転職活動に際して緊張を覚えるのは当然のことです。
また、評価という点とは少し趣きが異なりますが、転職するという事実を家族に伝えることについても、緊張するという方もいらっしゃるでしょう。人は自分の現状を心地よいと感じる性質がありますので、そこから逸脱する行動を取ろうとすると反対という反応を取りがちです。このことを考えると、あなたが緊張しようがしまいが、家族が取る反応は同じなのですが、そうは割り切れないのが人情というものです。
もちろん、転職をする際に発生する感情は悪い感情だけではありません。現状の職場環境の改善、自身のキャリアアップ、待遇の改善など、転職に対する期待感も大きいことでしょう。しかし、この期待感も、裏を返せば、「実現しなかったらどうしよう」という不安につながることがあります。
結婚や出産など、本来であればおめでたいライブイベントなはずなのに、負担を感じるというケースがあるように、転職に関しても同じことが言えるのです。
こうした感情の変化にともなうストレスに対処する方法の一つが、自分がどんなことに悩んでいるのかを明確にすることです。自分が不安に思っていることや緊張すると想定していることをいったん紙に書き出してみましょう。これだけでも、頭の中でごちゃごちゃとしていたことが整理されて、すっきりした気持ちになれます。
また、もう一歩進んで、書き出した悩みごとに対して、ひとつひとつ対処方法や選択肢をブレインストーミングのように思いつくまま書いてみるという手法もおすすめです。たとえば、「面接でうまく話せるかどうかわからない」といった場合は、「知人にロールプレイングしてもらう」「面接対策のテキストを読む」など自分の頭の中にある考えうる限りの選択肢を書き出します。
このときは「こんな方法、うまくいくはずがない…」などと自分で決めつけたりせず、一気に頭の中にあるアイディアを吐き出すことが重要です。そうしているうちに、他の悩みとの関連性が見えてきたり、実現可能なアイディアが副次的に湧いてきたりすることもあります。
人の頭の中だけで処理できる情報量というものは限られていて、さらにそれに感情が付随してくるため、考えがまとまりにくいという状況が引き起こされてしまうのです。自分がいま抱えている問題を、客観的に俯瞰できる形に落とし込むというのは、単純な方法のようでいてとても効果的な問題整理・解決の手段なのです。
ここまで読んでいただいてお気付きの方もおられるかもしれませんが、感情に振り回されないようにすることは、感情を利用することにもつながります。いわば、ネガテティブな感情は何か問題が想定されているから発生するわけで、その感情を解消するような行動を取れば自ずと問題解決につながることがあるのです。
どうすればこの不安はなくなるのだろか、どうすればこの緊張は取れるのだろうかということをしっかりと整理し、答えを導き出すことができれば、その答えはそのまま転職活動に活きてきます。
ネガテイブな感情が湧いたら負担だけではなくむしろチャンスとして捉え、問題解決のきっかけとすることができれば、転職活動にもプラスに働いてくれることでしょう。ネガテイブな感情に振り回されだけでなく、うまく利活用できるよう、心がけましょう。