都市部で生活していた人が、あえて地方で就職することをIターン転職と呼びます。便利であろう都会にいるのに、なぜ地方で働きたくなるのでしょうか。ここでは、地方で就職することのメリットや、Iターン転職について詳しくご紹介していきます。

転職の中には、Iターンと似た名前のもので、Uターンの転職というものもあります。Uターン転職は、一度都会に出た人がまた地方の地元に戻ってきて就職することを言います。実家があったり、顔見知りの友達などもいたりするのでUターン転職をする人は比較的珍しくありません。

しかし、Iターン転職となるとまた別です。地方に転職するといった意味では同じですが、Iターンは実家などはなく、未知の地域への転職となります。では、このIターン転職を希望する人は、なぜ都会を離れて地方での就職を希望するのでしょうか。

まずは、Iターン就職の主な動機から見てみましょう。

• 海や山など自然に関するアクティビティなどの趣味を持っている
• 都会の喧騒に疲れ、緑豊かな地域で暮らしたい
• たまたま以前訪れた地で、その地域を大変気に入った
• 畑を耕すなど自給自足の生活や山や川の近くで暮らすことに憧れていた
• 希望する職種が都会にはない

理由はさまざまですが、基本的にポジティブな考えが多いようです。確かにオフィスワークを筆頭に地方は都市部と比べて職種選択に限りがあります。しかしその代わりに、地方の特色を生かした企業や、都市部には見られない畜産農林に関わる仕事、観光業など、地方ならではの職種もあります。Iターン転職では、職種選択に加え、日々の生活を重視する人がたくさんいます。都市部より、ゆっくりとした時間が流れている、と感じる人も多いようです。

また、地方と言っても全てが山地であったりすることはなく、中心地はある程度都市部と変わらない生活を送ることができます。そのため、町によっては「生活自体はあまり変わらない」「大都市部よりは、少し自然に近いだけ」と考える人もいるようです。それぞれ、希望や、やりたいことから自好みのライフスタイルを送れる町を選んでいるのです。

続いては、Iターン転職をするメリットについてみていきましょう。

通勤

都市部での通勤と言えば、通勤ラッシュと帰宅ラッシュ。すし詰め状態の電車は当たり前で、ベッドタウンに住んでいたとしても、1時間近くは立ちっぱなしと言うことは珍しくありません。地方の魅力は、都市部よりもゆったりと生活ができることです。車通勤の企業も多く、自分のペースで出勤できます。

物価が安い

地方での暮らしは物価の安さも魅力です。食べ物から家・土地まで。同額払っても、食べ物は新鮮でたくさん手に入り、賃貸にしても部屋は広く、家を建てるにしても土地も大きなものになります。

アクティビティの充実

地方に行くと山、川、海など自然が近く、都会では体験できなかったアクティビティが充実しています。地域のイベントもより活発に行われているため、都市部では体験できない活動をプライベートで楽しむことができるでしょう。

会社・地方自治体からの補助

地方では若い人や、優秀な人材が都市部に流出しがちです。そのため、一部の地域や会社では大変歓迎され、移住についての引っ越し代や家賃など生活面での優遇措置が受けられる可能性があります。転職において地域や会社からのフォローの手厚さは、大きなポイントとなります。補助金などの子育て支援が充実しているところもあり、子どもが遊ぶ場所も多く存在する地方は、子育てにおいて有意義な時間を過ごせるでしょう。

さまざまなメリットがあるIターン転職ですが、注意しなければならない点もあります。

地域における人付き合い

地方によっては、その地域の会合や行事に休日に参加しなければいけないことがあります。プライベートの時間を割かなければいけないケースもあり、その地域ならではの人付き合い、というものに合わせなければいけないことがあります。自分に合うかどうか、引っ越し前に確認しておくと良いでしょう

娯楽施設

今まで大都会に住んでいた人からしたら、アミューズメント施設というものが少ないと感じるでしょう。自然を利用したアクティビティは多いですが、新しいものや常に最先端の娯楽を楽しみたい、など都会ならではの遊びが好きな人には向かいない地域もあります。

求人・職種が少ない

都市部よりも会社の規模も数も少ない地方においては、求人のある職種が限られます。自分が就きたい職種があっても、内容によっては地方での採用がない場合も考えられます。どんな仕事がしたいのか、なぜ地方に行きたいのかを天秤にかけつつ、仕事もプライベートも充実できる道を探さなければいけません。

この記事では、Iターン転職の詳細についてご紹介してきました。住み慣れた都会から地方に移るというのは、大きな不安を伴います。しかし、Iターン転職にはメリットがたくさんあることがわかりました。注意点に配慮しながらも、転職をしてよかったといえるよう、やりたいことを明確化して、Iターン転職をするかどうか決めていきましょう。