転職時に気をつけないといけないことの一つとして、マナーはよく挙げられます。実際に転職活動のマニュアル本などを手に取ると、こうしたマナーの内容について書かれたものをたくさん目にすることでしょう。マニュアル本に書いてあるマナーはもちろん重要なのですが、すべてを守ろうとすると息苦しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

また、マナーを守るがあまり、面接官が実際に応募者と対面した際に違和感を覚える採用担当者も相当数存在します。特に転職活動を行う人にとっては、学生が新卒採用の際に守るべきマナーとはややニュアンスが異なる場合があります。では、転職活動をおこなう際、私たちはどんなマナーに気をつけていけばいいのでしょうか。ここでは、メール、書類作成、面接において、それぞれのマナーについて考えていきます。マナーという言葉の温度感がイマイチよくわからないという方は、是非参考にしてみてください。

転職活動におけるメールのやり取りは、ある程度形が決まっています。

これに関しては、マニュアル本やインターネットの文例に書かれている内容から、敢えて逸脱する必要はなく、形通りに書くようにすれば問題ないでしょう。

メールに関しては、文章よりも重要な要素があります。それは、レスポンスの早さです。

採用をおこなう面接官も社会人のひとりです。
レスポンスが遅い人よりは、早い人の方がスムーズにやり取りができるため、非常に好感度は上がります。逆に採用担当者から催促が来るような状況では印象はかなり悪くなってしまうと考えましょう。

レスポンスの遅いビジネスマンは社会から置いていかれるという言葉があります。この言葉は、まだ働いていない状態であっても、その社会と関わろうとしている転職活動の段階からいえることです。返信や転職企業とのやり取りは気をつけておきましょう。

転職活動における書類作成の際に、応募書類は「手書き」で書くか「パソコン」で打つかよく議論になります。
これに関しても、「自分を最もアピールしやすい方法」で作成するのがベストです。 現代においては、パソコンでの応募書類はかなり一般的となっていますので、効率を考えてもパソコンで書類作成をおこなうのがベターでしょう。

しかし、自分が文字に自信があったり、パソコンでは表現できない図表を駆使した職務経歴書を作成したりしたい、という理由があるのであればその限りではありません。

もちろん、採用担当者が指定している書式があれば、それに従うことが第一となります。しかし、そうでない場合は、書類の内容に関してはマナーを過剰に気にせずに最も自分を適していて、尚且つ最大限自分が表現できる手法を選択すると良いでしょう。

ただし、封筒の宛名の書き方や、送付状を添えることなど、転職活動というよりは社会人としてのマナーは確実に抑えておくことをおすすめします。

採用担当者に自身の企業に入社したのちに適切な処理ができないのではないかという不安を与えないようにしましょう。

面接においても、新卒採用の応募者であれば、ある程度応えるべき内容が決まっていたり、他の人と似たような立ち振る舞いをしていたりすれば乗り切れることが多いです。しかし、中途採用となる転職者にとっては、これだけでは不足してしまいます。

新卒採用の場合、候補者も多いですが、採用者も多く、一定以上のマナーを確保していれば比較的すんなり入社できる場合もあります。

中途採用の場合は、新卒採用と比較すると圧倒的に狭き門となるため、マナーよりもいかに自身が持っているスキルをアピールするかが重要になります。マナーは社会人が持っていて当たり前とされるので、そこまで重視されないと思っておきましょう。

マナーに関しては、これまであなたがサラリーマンとして働いてきたのであれば、そのマナーの知識がそのまま面接の場でも活きてきます。

面接の場では、それに加え、自分がどのようなスキルを持っているのか、いかに応募企業にとって自分のスキルが役に立つのかを焦点に、準備を整えておきましょう。

前述でも述べてきましたが、一般的なマナーは新卒採用と比較すると、中途採用においてはそれほど強く求められていないことが現状です。

求められていないというよりは、中途採用の場合、これまでの社会人経験から自然と身についてきたマナー意識が、そのまま転職活動でも利用できるからかもしれません。 そういった意味で考えると、マナーをマニュアル本や研修で言われた通りにやってきた、その意味を深く考えたことはないという方は注意が必要でしょう。

また、これまで社会人としてどのようにして働いてきたかということが、マナーから見て取られることもあります。

これまでマナーが悪いと指摘されたことがある方は、一度その指摘の意味を考えてみて、改善しておくことが望ましいでしょう。

転職活動は、企業と個人の契約行為であり、ひとつひとつのやり取りが既にビジネスマンとしてふさわしいかがチェックされています。

マナーの意味を理解し、適切な行動を取れることも優秀なビジネスマンの条件のひとつです。マナーは、守ることが目的なのではなく、採用担当者や周りがどのように感じるのかが目的であることを忘れないようにししましょう。