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医療・福祉
歯科技工所
【歯科技工所 業界動向】
 歯科技工士法における「歯科技工」とは、「特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物または矯正装置を作成し、修理し、または加工すること」と定められている。簡単に言えば歯科医師からの指示を受けて、義歯やさし歯といった矯正装置を製作、修理するのが主な業務となる。人間の口腔内に入る、つまり身体の一部となるものを造り上げる作業だけに、技術の正確性が何よりも問われる仕事である。

 歯科技工士は厚生労働大臣が定める国家資格であり、各学校が示す学科や実習の過程を修了し、「歯科技工士試験」に合格した者が免許を取得できる。

 「サービス業基本調査(総務省統計局発表)」によると、平成16年の「歯科技工所」全体の年間総収入は約1502億円で前回調査(平成11年)比112.9%と、数字を伸ばしている。また厚生労働省の調査では、歯科技工所の事業所総数は1万9233ヵ所と、前回調査(平成14年)に比べて約460ヵ所増えている。しかし「歯科技工士」の数は、平成14年調査では3万6765名なのに対し、平成16年調査では3万5668名と、2年間で1000名以上減少している。

 市場規模は全般に拡大傾向といえるものの、同業者間の過当競争は年々大きくなっているという。加えて少子化の影響によって若年層の人材不足が今後ますます進んでいくことが予想されており、後継者育成の面で何らかの対策を講じる必要が出てきている。

 そんな中、歯科診療の新しい分野としての定着が望めそうな矯正歯科、インプラント治療がこの先普及していく期待もあり、需要が拡大していく可能性も十分に考えられる。歯科技工士にもこの先、時代とともに多様化、複雑化していく作業に対応するための技術力向上が求められていくことだろう。

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