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クリーニング・理美容・浴場
エステティック業
【エステティック業 業界動向】
 バブル期の景気上昇によって急速に需要が拡大したエステティックサロン。しかし開業における法的規制やエステティシャンの資格制度が存在しない中、市場はいわば野放し的に膨れ上がっていくことになる。モラルに欠ける経営が蔓延して契約や施術における消費者とのトラブルが多発し、業界のイメージは一時大きく低下した。

 業界の健全化を目指すべく、「日本エステティック協会」「日本エステティック業協会」の両団体は、エステティック業の社会的認知に向け、契約における一定の基準や国家資格の新設による人材育成強化などの対策に動いた。当時の厚生省(現・厚生労働省)も両団体と共同で「財団法人日本エステティック研究財団」を平成4年に発足させ、業界健全化推進を目指す活動の主体的存在となっている。

 同財団が平成12〜13年に行った調査によると、NTTの「タウンページ」に「エステティックカテゴリー」として登録されている店舗数1万4333店のうち、エステティックサロンとしての営業が確認されたのは1万1135店。全体の3分の2は個人による経営で、法人経営の8割以上は多店舗の直営サロンを展開している。

 営業種目はフェイシャルケアが最も多く、以下ボディケア、ワックス脱毛、ブライダルエステ、痩身と続く。「サービス業基本調査(総務省統計局発表)」によると、平成16年の「美容業(ここには美容院等も含まれる)」年間総収入は約2兆0218億円とされているが、エステティック業についてはバブルの崩壊以降、需要は年々減少しているものと思われる。

 市場は縮小傾向だが、業界内部の努力によって経営の健全化が徐々に進んでおり、平成14年には業界初の上場企業が誕生したエステティック業。各社のメディア広告によるイメージアップ戦略や無料体験、学割サービスなど、顧客が安心して利用できるサービス環境が広くアピールされることで潜在的なニーズを掘り起こせる期待も大きくなる。しかし依然として業界の統一感は薄い印象を受ける。

 許認可制度などの法整備は早急な課題といえ、多数存在する業界団体の一本化も必要だろう。信用ある業種として、世間に認知されるための下地を作る努力を続けることが、社会的地位を確立させるための必要条件ではないだろうか。

 かつてエステといえば女性が通うものというイメージがあったが、ここ数年、男性の身だしなみに対する意識の高まりを受け、男性エステ市場は倍増したと言われる。男性向け店舗型エステは、有名芸能人を起用した積極的な広告展開で知名度を高めることに成功した。また最近では宿泊のついでに利用できるホテルのエステの人気が高まっており、宿泊や食事とセットになったプランや有名ブランドの男性用化粧品を使用するプランを始めるなど、各ホテルとも需要の中心層である30代以上の男性客獲得に躍起だ。

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