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クリーニング・理美容・浴場
理容業
【理容業 業界動向】
 近年の流行によるヘアスタイルの多様化で、若年層の男性が美容院へ通う傾向が年々強くなっており、理容店離れの影響がよりいっそう深刻になっている。さらに業界内でも最近では2000円台、1000円台といった低料金を売り物にしたチェーン店の進出が目覚ましく、不況の時代に合った形で需要を大きく伸ばしている点が特徴的である。

 「サービス業基本調査(総務省統計局発表)」によると、平成16年の「理容業」年間総収入は約7764億円で、前回調査(平成11年)比79.3%と市場の縮小が進んでいる(参考:「美容業」の同年総収入は約2兆0218億円)。厚生労働省の「衛生行政業務報告」による数字では、平成15年度末時点での理容店数は14万0130店。減少傾向が続いているとはいえ、下げ幅は年々小さくなっている(参考:美容院数は21万0795店で前年度末比101.2%)。

 理容店の減少がある程度食い止められているのには、こうした新しいタイプの理容店が徐々にその勢力を伸ばしているという理由もあり、個人消費の低迷に逆行して理容料金が年々上昇し、現在では平均3000円台後半の価格設定となっている既存の組合加盟理容店にとっては厳しい環境がこの先も続くことだろう。

 1人の顧客に対しての長時間かつ充実したサービスでリピーターを増やしてきた既存店だが、サービスやコストを最小限まで削り、それをリーズナブルな価格に反映させた革新的な経営形態の勢力が、ヘアスタイルに対する関心の薄い層の取り込みに成功し、関心の高い層も美容院へと流れていった。需要獲得の柱を失ってしまった理髪店は長年の保守的な経営のツケを一気に払わされたような格好となったわけだが、今後生き残っていくためには低価格のカットメニューや出張サービスなど、ある程度時代に合わせた新しい試みを考え出さなければ、現状は維持できても再びその需要が回復する可能性はかなり低い。

 また低価格チェーン店についても、この先の店舗拡大によって理容師のカット技術に差が出るなどの問題も考えられるため、顧客満足度を下げないための技量ならびにサービスの向上を目指し、スタッフの教育体制にも力を入れていく必要がある。

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