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職務経歴書のQ&A
「書くことが少ない」「実績がない」「転職回数が多い」など、職務経歴書を書くときに頭を悩ませる点をQ&A形式で解説します。
書くことが少ない場合はどうすればいいのでしょうか?
方法は2つあります。1つは過去の経歴から「切り口」を変えてアピールポイントを抜き出すこと。もう1つは過去の職務経歴以外の情報を新たに追加することです。

前者の代表的な例は、今までの経験の中で最も特筆すべき仕事について、どういった考え方でその仕事に取り組んだか、どのような方法を用いて努力したかなどを、300字程度の文章でまとめる「自己PR文」を書くことです。仕事に対する「信条・ポリシー」や「こだわり」をまとめる手もあります。

後者の例としては、「今後の目標」などと題して、自分のキャリア目標や抱負を文章で書き、仕事に対する意欲を示すことなどが考えられます。また、学生時代のアルバイトや自主的な学習、現在取り組んでいる資格なども材料になります。趣味やボランティア活動について語るのも、個性や人間性をアピールする上で有効です。
派遣やアルバイト経験しかないので、職務経歴書が書けません
「正社員を希望する理由」という項目を立てる作戦が有効です。「アルバイトは会議に参加させてもらえない」「残業が制限され思い切った仕事ができない」など、正社員への転職を考えた理由をそのまま文章にしても構いません。

基本的に、前職への不満めいた内容を書くことは、職務経歴書のタブーとされていますが、アルバイトや派遣で「できなかったこと」を正社員でやってみたいというのであれば、それは不満ではなく、人事担当者が読んでも納得できる内容です。

最も避けるべきなのが、「自分にはアルバイト(や派遣)の経験しかない」というネガティブな発想です。その考えは職務経歴書の文中にも表れ、読み手のモチベーションを低下させてしまいます。人事担当者は多少のスキルの差があったとしても、「やる気のある人」を採用したいと思っています。自信を持って堂々と自分をアピールしましょう。
営業をやっていますが、誇れる実績がありません

現在の職場でなかなか成績が上げられず転職を考える――。決して少なくないケースだと思います。人事担当者もそのあたりの事情は十分理解しているはずです。ここでは視点を変えてアピール材料を見つけ出すことが勝敗を左右します。

作戦としては大きく2つあります。1つは結果が出る前の「過程(プロセス)」に焦点を絞ること。もう1つは、他人との比較ではなく、自分個人の「成長度」をアピールする方法です。

前者は、成果に結び付けるために「自分なりに工夫したこと」などを書きます。例えばそれが「地道に顧客データを積み重ねた」であれば、「そういう地味な営業スタイルが当社に合っている」「データベース営業は成果が出るまで時間がかかる」と判断する人事担当者もいます。

後者の場合は、支店内・部署内ランキングなどにとらわれず、あくまで自分自身の「対前年比の成長」などについて、自ら考えたことや努力したことなどを書きます。一部のベテランのみが圧倒的な成績を残す職種・職場にいた人などに有効です。

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資格を持っていないので、自分のアピールができません
「証券外務員2種資格を保有する人のみ」などと求人票に書かれている場合、確かに資格を持っていない人は圧倒的に不利ですが、それ以外の多くの求人では、資格が決定打になることはまずありません。基本的に中途採用では、資格よりも実務が優先されます。

現時点でその資格を持っていなければ、「○○資格××年×月受験予定」などと書くことが考えられます。「平日夜・土日に○○専門学校通学中」と、取得に向けて努力している姿勢をアピールします。

例えば「金融プロフェッショナルにとっての証券アナリスト資格」「建築設計士にとっての一級建築士」「海外関連の仕事に携わりたい人にとってのTOEIC」などです。このように資格がキャリアと密接に結び付いている職種の場合は、何らかの対策が必要です 。
例)求人票に「英語力ある方、日商簿記2級保有者歓迎」と書かれていた場合

■ 取得資格
なし
■ 取得資格
・20××年 ×月×日 TOICE受験予定(目標750点)
・現在○○○○専門学校に通い USCPA講座を受講中
長期のブランクがある場合は、マイナスポイントに見られますか?
人事担当者は、経歴に長期のブランクがある人を嫌う傾向があります。長期とは約1年以上の空白期間をいい、「仕事に対する意欲が低いのでは?」と見られてしまいがち。

ブランクが生まれた理由があれば、「資格取得に向けて勉強していた」「家業の○○業を手伝っていた」「病気療養のため」などと書き加えます。何もしていなかったブランク時期も、「次の仕事へ向けた充電期」として、なるべくポジティブに表現しましょう。
例)

■ 職務経歴
2001年3月 ××大学法学部卒業
2001年4月 ××××株式会社入社
2004年7月 一身上の都合により退職
2006年1月 株式会社××入社
<家業を手伝っていた場合>
■ 職務経歴
2001年3月 ××大学法学部卒業
2001年4月 ××××株式会社入社
2004年7月 父の急病により、家業である○○を手伝うため退職
2006年1月 父の体力が回復したため、株式会社××入社
<病気療養していた場合>
■ 職務経歴
2001年3月 ××大学法学部卒業
2001年4月 ××××株式会社入社
2004年7月 ハードワークにより肝臓の病気にかかり退職
約半年間病気療養のため休養し、その後専門学校で宅地建物取扱主任資格の勉強をする。現在は完治。
2006年1月 株式会社××入社
<ブランクがある場合>
■ 職務経歴
2001年3月 ××大学法学部卒業
2001年4月 ××××株式会社入社
2004年7月 一身上の都合により退職
約半年間、ハローワークなどに通い、キャリアアドバイザーのカウンセリングを受ける。その後、OAスキルを身に付けるため、独学でパソコンの勉強をする。
2006年1月 株式会社××入社
同世代と比べると、転職回数が多いのですが不利になりますか?
転職回数が多い人は、人事担当者に「すぐ辞めてしまうのでないか」と心配されます。また、職歴が多くなるために、職務経歴書が読みにくいものになりがちです。

「すぐ辞めてしまう」という人事担当者の不安に対しては、「志望動機」などにこれまでの転職理由、今後のキャリアプランなどを盛り込み、慎重に転職先を選んでいることを示しましょう。

後者の書類のレイアウトの問題については

1. 職務の種類ごとにまとめる「キャリア式」を使う
2. 応募求人に関連した経験を中心にまとめメリハリを付ける
といった対策が考えられます。

応募する会社ごとに職務経歴書に編集を加え、応募企業に合った職務経歴書作りを心がけるべきです。
社内で何度も異動があり、そのたびに仕事内容が変わりました。
経験職種が多すぎる場合はどうすればよいのでしょうか?
社内異動もある意味“転職”と考えられます。「転職回数が多い人」のケースと同じように、書類がゴチャゴチャしてアピールポイントが不明確になりがちです。

レイアウトを「編年体式」ではなく「キャリア式」でまとめ、スッキリした書類に仕上げましょう。求人企業が求めている経験・スキルに絞って、アピールポイントにメリハリを付けます。

経験職種が多いことを逆手に取って、「幅広い経験の持ち主」「順応性の高い」とアピール材料にする作戦も考えられます。
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事情があって短期間で会社を辞めてしまいました

これも、人事担当者がネガティブな捉え方をする大きな理由の一つです。しかし、本人にしてみれば相当な理由があるはず。前職への批判にならないよう気をつけながら、退職に至った合理的な理由を説明しましょう。

「それなら自分も辞めてしまうだろう」と人事担当者を納得させるような内容であればベターです。長文になりがちなので、なるべくならば職務経歴書で取り上げず、面接の場面で説明したい内容です。

自分のアピールポイントがわかりません
一生懸命アピールしようと思う人ほど、「自分にはアピールポイントがない」と考えてしまうものです。実際はそんなことはなく、話しているうちにその人の良さ・強みは必ず見えてきます。

あくまで職務経歴書に書く内容は「自分の歴史」であり、他人と比較するものではありません。同じ部署の人が同じ会社に応募していれば比較できますが、それ以外、人のキャリアを簡単には比較できないものなのです。

「自分の歴史」と考えれば、そのために自分は何をしたか、どんな努力をしたか思い出すことで、おのずとアピールポイントも見えてきます。「約束の5分前に訪問する」「提出物は必ずじっくり内容をチェックする」。これだけでもアピールポイントとして十分だと思います。
ネガティブな理由で会社を辞めた
一般的にネガティブといわれる退職理由には、大きく2つの種類があります。

1つは直接本人が関わらない「会社倒産」「人員削減」などの理由。もう1つは「上司との折り合い」「仕事上のトラブル」など直接本人も関わっているケースです。

前者に対しては人事担当者も寛容です。たとえリストラ対象だったとしても、それは必ずしも本人の能力とは関係ない場合が多いからです。後者の場合は前職に対する批判に結び付きがちなので、書き方に十分注意しなければなりません。 どちらにも言えるのは、次のキャリアに対する「前向きな姿勢」を訴えることです。職務経歴書は形式自由ですからあくまでポジティブに!
職務経歴書には書き方の種類がたくさんありますが、
どれを選べばいいのでしょうか?

職務経歴書のレイアウトは、「編年体式」「キャリア式」「プロジェクト式」などさまざま。初めて書く人にとってはとまどう部分があるかもしれません。

原則は「自分のキャリアを一番アピールできるレイアウトを選ぶ」です。

例えば、最新の仕事が次につながるものだとすれば、最新の業績が一番上に書ける「逆編年体式」を選びます。複数の職種の経験があって、そのうち1つを強調させたい場合は「キャリア式」を選びます。 「どうすれば求人に対して自分を最もアピールできるか」考えれば、それにふさわしいレイアウトがどれか答えが出るはず。

どうしても分からない人は、まず「編年体」で書き、不十分な点があれば、それを補うレイアウトでまた書き、ベストな職務経歴書の完成を目指します。

転職・異動などが多くアピールしたいスキルが、経歴に埋もれてしまっている場合
⇒「編年体式」ではなく「キャリア式」でスキルを強調
最近プロジェクトリーダーに昇進したので、そこをアピールポイントにしたい場合
⇒「逆編年体式」で最新の業績をアピール
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