職務経歴書の書き方
職務経歴書は、A4サイズの用紙2枚程度にまとめましょう。転職が多い人は3枚になることもありますが、特別な事情がない限り、なるべく2枚におさめるのが無難です。
2枚以上となった場合はホチキスではなく、すぐに取り外しができるクリップなどで左上を留めましょう。
この職務経歴書は、これまでのあなたの職務経歴を記したものですが、ただ単に企業名や配属部署名を書けば良いというものではありません。
単純な年表状態のものを提出してしまっては、書類選考の段階で落とされてしまう可能性もあり、非常にもったいないことになります。
まずは職務経歴書についての意識を改めましょう。
職務経歴書は、いわば自分自身のプレゼン資料、営業職にとっての営業ツール、お店にとってのカタログです。
たとえば、プレゼン資料ではどのような内容かも重要ですが、フォーマット内におさめつつ、見やすさも求められます。
営業職にとっての営業ツールでは、これまでの実績をきちんと明記した資料が欠かせません。
お店にとってのカタログでは、単純な価格や特徴を記したものよりは、どのようなシーンで使うかイメージを沸かせられるものが好反応です。
職務経歴書も、フォーマット通りに職歴を書くことは大切ですが、それ以外の付加価値を加えることで読み応えを感じてもらえるようになります。
見やすさで印象を良くし、これまでの実績を提示して実力をアピールし、企業で実際に働いた場合はどのような活躍ができるかを挙げ、想像してもらいましょう。
職務経歴書をきちんと書くか否かで、書類選考の通過率も変わります。
ただこれまでの職務経歴を羅列しただけでは、「果たしてわが社に必要な人材か否か」を判断してもらえません。
人事担当者は前職の内容だけではなく、職務経歴書から人となり、会社や募集している職種との相性を計ろうとします。
そのため、情報の羅列だけでは判断が難しく、書類選考の段階で落としてしまうこともあるのです。
特に転職の場合、履歴書よりも職務経歴書の方が重視されます。
新卒採用のように出身大学で合否を決める会社は少なく、前職で何をしてきたか、何ができる人かを見るためです。
面接も職務経歴書に書かれた情報をもとに進められるため、履歴書以上に時間をかけて作成しましょう。
職務経歴書を実際に作成する前に抑えておきたい基本は、次の通りです。
- 見やすくて読みやすい
- 求人職種に沿っている
- キーワードを重視する
先ほどのプレゼン資料の例でも挙げましたが、人に読んでもらう以上、見やすさを意識したものでなくてはなりません。
応募者が多い場合、あまりにも見にくいもの、読みにくいものはその時点でふるいにかけられてしまいます。
あまりにもすっきりとした書面では「やる気がない」と見なされてしまうため判断が難しいところですが、見やすく読みやすいものを意識して書きましょう。
見やすさはフォーマット内で適度な行間と見出し、罫線によるメリハリで誰でも作ることができます。
読みやすさは、句読点と主語述語を意識して文を書いてみましょう。句点が入ることで、読み手に息継ぎをする余裕と、情報を整理する間を与えることができます。
紙面としての見やすさと文章としての読みやすさ、この両方を意識して作成しましょう。
次に、重要なのが求人職種に沿った内容であることです。極端に言えば、英会話教師の募集なのにフランス語教師の経歴ばかりをアピールした職務経歴書を出すような人は、採用は難しいでしょう。
大切なのは、その経歴が希望する職種にどのように役立てられるか、という点です。
英会話教師の募集に「フランス語を教えられます」と言われても人事担当者は困惑します。
しかし、ここで「フランス語教師として人に外国語を教えるノウハウは身につけています。英語も留学時に身につけました」と言われると印象が変わります。
職歴として残っていなくても、日頃身につけたスキルなどでアピールすることは可能ですし、前職の経験を別の視点でとらえると武器になる可能性もあります。
じっくりと自分の経歴や経験を思い返してみてください。
ひとつでも多くの関連するポイントを挙げることができれば、一見無関係に見える経歴や経験も、希望する職種に役立てられるようになるでしょう。
そして最後の重要点が、キーワードです。キラーワードとなる一文は何かを考え、人事担当者の目に留まるように職務経歴書に配置しましょう。
といっても、あなたのキャッチコピーを考えてください、というわけではありません。
書くのは募集する職種で求められている資格名や、役立ちそうな専門用語などです。
たとえば、デザイナーであればPhotoshopとIllustratorのどちらを使用しているか、WEBデザイナーであればHTML5言語による作成は可能か否か、などです。
専門性を求められないものであっても、EXCELのVLOOKUPや関数など、ソフトをどの程度まで扱えるかを明記しておくと良いでしょう。
さて、これらのポイントを理解して情報を整理したら、いよいよ職務経歴書の作成に入ります。
職務経歴書には、大きく分けて三つのフォーマットが存在します。『逆編年体』『編年体』『キャリア式』の三つです。
- 逆編年体
- 逆編年体は、経歴を新しい順に書いていく方式です。前職や最近の経験が希望職種に合っていることをアピールしたい時には、逆編年体は有効です。
記載する職歴は1社目まで、前職(現在の仕事)のみを記載します。
前職がとくに希望する職種と関係する場合は、前職の中で得た経験がどのように即戦力として役立てるかをアピールできます。
一方でそれ以前の職種や経歴、転職歴などを知りたい人事担当者に当たった場合は、時系列ではない点を指摘されることもあるようです。
- 編年体
- こちらは経験を時系列で順に書いていく方式で、転職歴が少ない人ほど書きやすいタイプです。
編年体の良いところは、これまでのキャリアをすべてアピールできるところ。
たとえばステップアップを目指して1社目から転職したは良いが、何らかの事情で2社目を早くに退職した場合。
3社目への応募の際に、1社目で積んだ経験の方を強くアピールしたい人にとっては編年体が最適です。
前職のさらに前職も分かるこの書き方は、最も無難な方式として、学校法人など堅めの職種への転職にも使われやすいタイプのフォーマットです。
- キャリア式
- 転職回数が多い人や大きなプロジェクトに関わったことをアピールしたい人には、キャリア式の方がアピールしやすいでしょう。
企業単位ではなく、経験した職種やプロジェクトごとにまとめる方式です。
たとえば1社目や2社目は接客をしていた人が、3社目は事務職を経験し、やっぱり接客に戻りたくなった、という場合に便利です。
1社目や2社目で接客経験があることを強くアピールし、3社目の事務職については簡単に記載する程度に留めます。
キャリア式を用いることで、直近の前職にとらわれず、過去の経験をアピールすることが可能となります。
ただし、効果的な紙面の作成が意外と難しく、使う人が少ないことから、人事担当者にも良い印象を与えない可能性もあるようです。
このように、職務経歴書には大まかなフォーマットが存在します。
また、職種によって適切なフォーマットもあるため、あくまで参考程度に留めておいてください。
当サイトでは職種ごとに職務経歴書のフォーマットもダウンロードできます。迷った時はぜひ活用してみてください。