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大規模小売
百貨店
まだ大型店舗の存在が百貨店に限られていた時代は、休日に家族で出掛ける場所というイメージも強かったが、購買の多様化が進んで百貨店に対するニーズが変化するのに合わせ、店休日の減少や、OL等の会社員が勤め帰りにでも気軽に立ち寄れるよう営業時間を延長するなど、ライフスタイルに呼応する戦略がここ数年で一気に進んだ印象を受ける。

店舗改装やクリアランスなどによる売上への効果が大きいとはいえ、トータルで見ればまだ完全な回復基調にあるとは言い難い。日本百貨店協会が発表している数字を見ても、平成18年はほとんどの月で前年同月の売上を下回っていた。19年に入り、暖冬で春物の需要が早い時期から動き出した影響などで年始からプラス傾向が続いているものの、今後の推移についてはまだ不透明な部分が多いように思われる。  

家具や家電製品といった、大型専門店、量販店に消費者のニーズが移行しているものについては売上の減少が止まっていないが、婦人服や雑貨といった品目が前年比プラスの水準に回復している傾向が見られる点は、来店層の中心である女性客の需要増加にも関係していると思われる。景気や気候に加えて催事などのイベント効果が売上に影響する部分も大きいだけに、かつての「デパ地下ブーム」に代表されるような、百貨店の独自性を打ち出せる新しい要素が出てくるかどうかも、今後の業績推移を左右するポイントの1つとなるであろう。

館内や各フロアの案内を行う「コンシェルジュ」と呼ばれる接客係を配置し、サービスを行う百貨店が増えている。案内だけでなく、豊富な商品知識を持ち顧客の買い物に関する様々な相談にも乗る接客のスペシャリストである。評判の高いコンシェルジュには固定客が付くこともあり、百貨店のブランド力向上に一役買っている。欧米と比較すると顧客への浸透度はまだ低いようだが、スーパーなど他業態の小売店にはないキメ細やかなサービスの提供でさらなる顧客獲得につなげていきたいところだ。

各百貨店は、店舗では扱ってない商品をWebサイトで販売するなど、インターネットの普及やカード決済の浸透によって、需要が広がった通信販売市場での拡販に力を入れている。また、出版社と提携することでカタログを充実させ、ターゲット層の囲い込みを図る動きもある。特にネット通販については参入の遅れていた市場であるが、高級志向の高まりを追い風に、「百貨店」というブランド戦略を生かし、どこまで細かいニーズに対応していくかが重要になってくる。

景気の影響を受けやすいのは大型店の宿命ともいえるが、百貨店についてもバブルの崩壊によって個人消費が落ち込んだことで、長らく業績不振が続いてきた。そごうの倒産(平成12年)や、地方を中心に相次いだ店舗の閉鎖など、業界内では暗いニュースばかりが目立った時期もあったが、近年は業務提携による経営の合理化も業界全体で急激に加速し始めている。阪急百貨店と阪神百貨店、そして大丸と松坂屋のような既に経営統合の決まった例もあり、業界内の競合もより激しさを増してくることとなる。今後も大手による地方百貨店に対してのM&Aをはじめ、大手どうしのさらなる統合も含めた動きが見られる可能性は高く、大規模な再編の動向が大変注目される。

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