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コンピュータ・電子部品
音響機械器具製造業
【音響機械器具製造業 業界動向】
 19世紀末の蓄音機から始まったオーディオの歴史。日本においても戦後、テープレコーダーやステレオの普及によって一般家庭に音響機器が広まっていくことになる。レコード、カセットテープ、CD、MDと、音楽ソフトの変遷に合わせてオーディオ機器の技術も進歩を遂げていった。車内用のカーオーディオや、ソニーの「ウォークマン」に代表されるポータブルオーディオなどによって音楽鑑賞のスタイルも多様化するなど、新しい流れが生まれるたびに各メーカーは激しい販売競争を繰り広げている。

 経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、「電機音響機械器具製造業」の事業所数は636(従業者4名以上)、年間出荷額は約1兆7059億円となっている。事業所は年々減り続けているが、出荷額については減少傾向に一応の歯止めが掛かっているようだ。

 国内メーカーが多数存在し、市場は過当競争の状態が長年続いている。音楽DVDやホームシアターといった、ビジュアル的要素も含んだ展開も注目を集めたが、大きな収益の回復にはつながらなかった。そして近年はパソコンから取り込むmp3ファイルという新しい形の音楽ソフトが登場し、容量が大きく持ち運びに便利なmp3プレイヤーが大きく需要を伸ばしている。

 しかし日本におけるmp3ファイルの普及は、先進国であるアメリカのみならず中国や韓国からもかなり遅れており、シェアにおいてもApple Computerの「iPod」が他社の製品を大きく引き離していることもあって、国内業界の全体的な底上げにつなげることは難しい。厳しい状況が続く中、市場の大幅な回復を目指すには、世界的な需要につながる独自技術の開発や、新しい技術をいち早く取り入れて普及につなげる時代の読みが求められていくことになる。

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