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書籍紹介Review
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
著者::城繁幸
発行:光文社
価格:735円(税込)
「3年で3割辞める」といわれる新卒離職率の増加やニート・フリーターの増加…。格差社会における若者たちが抱える問題を追求した一冊を紹介。
2010年をメドに発生する団塊世代の大量退職を目前に、転職市場はがぜん好調である。だが、「仕事にぜんぜん興味がわかない」「これからのキャリアビジョンが分からない」と嘆く若者世代も少なくないのではないだろうか。
本書は若者の視点から、いまの若者をとりまくさまざまな社会問題の核心に迫ったもの。著者は、ベストセラー『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』を執筆したことでも知られている。著者は、上昇し続ける、新卒離職率やニート・フリーターの急増、改善されない年金未納率などは、若者の社会に対する閉塞感そのものだと述べている。
著者は、本書の中で「固定概念と現実とのギャップ」が、若者に閉塞感を持たせていると述べている。ここでいう固定概念とは、大手優良企業に入り、年功序列というレールに乗りさえすれば、必ずゴール(定年)までたどり着けるというもの。成果主義を謳っていても、このような固定概念は、まだ根強く残っているのが現状だ。年功で得をするのは結局中高年の正社員であり、そのツケを若者が肩代わりしているにすぎないのだ。
若者世代なら、この状況をリアルにイメージできてしまうだろう。上記に記したような固定概念が抜けきらない現状では、若者が能力を発揮できるようなチャンスもなく、その能力に応じた給与やポストも与えられるわけでもない。いつ、どのタイミングで年功のレールを降りるか、降りた後の方向を決めるのは、すべて自分。そのタイミングを計るのに、本書を参考にしてみてはどうだろうか。