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書籍紹介Review
会社の品格
著者:小笹芳央
発行:幻冬舎
価格:756円(税込)
「会社の品格」は社員の4つの視点で判断せよ!
粉飾決算やリコール隠し、食品偽装など、企業の不祥事が多発しているが、組織に属した経験のある人ならば、「自分には絶対に起こりえないとは言えないのではないか」「まったくの他人事として割り切れない面もある」と感じる人も少なくないのではないだろうか。
企業変革をサポートする経営コンサルティング会社、リンクアンドモチベーションの代表を務める筆者によると、会社という存在は、そもそも不祥事を起こしやすい性質を持っているという。 経済合理性で動く会社は、放っておけばお金儲けや自己保身ばかりを考えて病んでいく。そして、社会との感覚から逸脱したときに不祥事を起こしてしまう。
そんな会社の不正行為を防止するために、最近では法令順守や内部統制といった監視ルールの強化が進んでいる。しかし、過度なルール統制は業務の非効率に繋がり、社員のモチベーションを下げる要因にもなりかねないと著者は本書の中で指摘する。そこで、ルール統制に加えて必要になるのが、社員による会社統制だ。
社員は、「何かに貢献したい」「自分を成長させたい」という経済合理性以外の感覚を持つ存在であり、外部と内部の感覚を併せ持つからこそ、「この会社はおかしいのではないか」と会社の暴走を食い止める機能になる。実際、これまでに起こった不祥事も社員の内部告発で発覚したケースがほとんどだ。会社の品格を高めるポイントは、この社員の自浄作用を働かせることに他ならない。
本書は、会社の品格を社員視点で判断する観点として、「組織」「上司」「仕事」「処遇」の4つを挙げ、会社のあるべき姿を問うている。また、そのために必要な組織の施策にまで展開し、経営者の品格や社員の品格のあり方も示唆する構成となっている。 「会社とは何か?誰のものか?どうあるべきなのか?」会社の本質を捉えたこの書と向きあうことで、会社の品格を高め、ひいては社会や国の発展をさせるといっても過言ではないだろう。
presented by 幻冬舎メディアコンサルティング
求職者へのメッセージ
社会や投資家などによる統制だけでなく、社員自身による統制で「会社の品格」を守る。
私が本書でこのテーマを提案したのは、この国が今抱える最大の問題は、当事者意識が欠落してきたことだと感じているからです。
何か社会で問題が起きたとき、「政治が悪い」「役人が悪い」「教育が悪い」・・と誰かのせいにし、責任の矛先が変わっていく。これは会社で問題が起きた時も同じです。「経営者が悪い」「上司が悪い」「人事が悪い」・・。しかし、誰かの責任にしたところで何も前には進みません。一人ひとりが、「こういう国・会社にしてしまっているのは自分の責任でもあるのだ」という当事者意識を持つことから全ては始まると思うのです。
そしてもう一つ、これからの世の中で必要になるのは、新しい評価の視点だと思っています。私たちは何かを評価する時に、古いモノサシで見てしまっていることが多々あるのです。長年にわたって使い込んできたモノサシが時代に合わないものになっているなら、評価の結果も時代に合わないものになってしまいかねません。本書ではそうした新しい指標についてもいくつかの提案をしています。
私は、日本の会社にはまだまだ大きな可能性が秘められていると思っています。実際、ほんの小さな意識改革だけで、驚くほど「品格」が上がる会社はたくさんあります。 新しい日本の未来を創るために。よりよい会社を創るために。少しでも本書がお役に立てれば、幸いです。