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書籍紹介Review
「頭がいい人」のメンタルはなぜ強いのか
著者:保坂隆
発行:中央公論新社
価格:740円(税込)
過度のストレスを抱えがちなビジネスパーソンにとって、メンタル面の強化は大きな課題。今回はメンタル面を鍛えるためのノウハウを記した一冊を紹介
最近、雑誌や新聞などでビジネスパーソンの健康問題に関する話題が取り上げられている。特に、過酷な仕事環境において過度のストレスを抱え込んでしまい、メンタル面に支障をきたすケースも多いようだ。もはや対岸の火事とはいえない状況にある人も少なくないのではないだろうか。
本書は、『「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか』や『「頭がいい人」は脳のリセットがうまい』などを記した、精神科医の著者によるシリーズ第4段。人間のメンタル面に注目して書かれたものである。著者によると、頭のよい人は、メンタル面のバランス感覚に優れており、精神的にも安定しているという。力を注ぐべきところには全力投球をしたり、部下やメンバーに対して怒ったりすることもするが、そのさじ加減のバランスが取れている人ほど、メンタル面が優れているということなのだ。
逆に、「大声で部下やビジネスパートナーに対して怒鳴ってしまう」「必要以上に頑張りすぎてしまう」「ストレスを抱え込みやすい」という人ほど、メンタル面のバランスが悪い。精神医学ではこのような人たちを、A型行動パターン(以下タイプA)と呼んでいるという。タイプAの典型的なケースとセルフチェックを紹介している。きっと、自分を含めた周囲に“こういう人っているよね”と、思わず苦笑いしてしまいたくなる事例もあるだろう。
本書では、頭のよい人が実践しているメンタル面の強化策も紹介している。これは決して難しいものではなく、すぐに試すことのできるものだ。タイプAの資質があるほどうつや心臓病などの病を患う確率も高いと著者は警笛を鳴らしている。メンタルの弱さが招くさまざまな病気を回避するためにも、できることからコツコツと、少しずつメンタル面を鍛えてみてはどうだろうか。